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鬼畜眼鏡

2014/09/12

↑old↓new
眼鏡克哉×御堂
愛の数ほどエトセトラ R-18
 └愛妻の日2013。エプロン万歳!
ロリポップ
 └拍手お礼
バレンタインは恋の味
 └Valentine2013。いちゃいちゃバカップル。甘々
デレ期 R-18
 └にゃんにゃんの日2013。ツイッターお題:「御堂を後ろからの責めでイカせながらつまらなそうな顔の眼鏡」 甘々
Happy Sweet time
 └御堂誕2013。●年後のメガミド。 甘々


御堂×眼鏡克哉
Sweet Candy
 └Valentine2012。出張から帰ってくる御堂さんを迎えにいこう。甘々 ※リバ注意
SEDUCE
 └拍手お礼
マシュマロ
 └御堂の日2012。風呂場で言い合う二人。克哉視点。甘々 ※リバ注意
アイジンミルク R-18
 └おっさんにゃんにゃんの日2012。柘榴で身体が小さくなる ※一部克克だったり御克だったりします
kiss kiss kiss
 └キスをする御堂さんに気を遣う克哉。甘々 ※リバ注意
逢いlove遭い R-18
 └ツイッターでめがぬこという文字をみかけ、勢いだけで書いてみた ※リバ注意


眼鏡克哉×眼鏡克哉
Marvelous Cream R-18
 └眼鏡受けなはずが御堂さんも交えての3P。ヤッてるだけ


太一×御堂
Honey×Honey
 └ハチミツの日2012。甘酸っぱさゼロ。甘々

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Happy Sweet Time

2013/09/29


 ホテルのスイートルームから見える夜景に目を呉れることなく、御堂は慣れた手つきでシャンパンを開けた。ホテルの部屋に備えつけられていた物だが、ラベルを見れば安物のシャンパンではないようだ。
 今日は、御堂の誕生日だった。毎年佐伯が違うホテルに予約を入れ、その都度フランス料理や和食といった三ツ星のレストランへ行く。そして豪華な食事を楽しんだ後、ホテルに来るというお決まりなコースだ。
 デートをして愛を語り合うような年齢でもなくなってきたが、愛しい人と過ごす時間に御堂は身も心も蕩けていた。
「ワインでなくていいですか?」
 グラスに注ごうとしていると佐伯がそんなことを言い出す。先ほど食事をとったばかりで飲み足りないわけではないが、ただ口の中が寂しい。
 グラスにシャンパンを注ぎ入れると小さな気泡が音を立てた。
 短く返事を返して、佐伯の分のグラスにもシャンパンを入れる。シャンパンに蓋をし、二人分のグラスを持って窓に背を預けた格好で立つ佐伯にそのひとつを渡した。
「私の為に毎年すまない。こんな……年になるまで君と過ごせると思っていなかった」
 ほんのり赤く染まった頬で、照れなのか酔ってるのかわからない言葉を御堂は言う。眼鏡の奥の瞳から目が離せず、その目がすっと細くなりわずかに佐伯が微笑んだ。
 たったそれだけなのに、胸が弾んだ。気持ちを悟られたくなくて御堂は、唇を噛んで視線を伏せた。
「なにを言い出すんですか。アレだけの量で酔わないでください」
 グラスを持ったまま佐伯は、冗談を言うように御堂をからかう。照れているのは御堂だけではないと言いたげな声が、耳から離れない。
 体温が上がるのを感じる。まるでアルコールがいきなり身体を回ったようだ。
「佐伯の言う通りかもしれない。私は酔ってる」
 照れていることを勘付かれないようにシャンパンに口をつけた。ふわりと漂う木の根の香りが、鼻先を霞んだ。口の中に炭酸が広がっていく。
 さっき食べたばかりの夕食の味さえも思い出せないほどに、御堂は緊張していた。
 佐伯とのデートは一ヶ月ぶりだった。同棲していても最近は仕事が立て込んでおり、プライベートの時間は今日までほとんどなかった。変な風に目の前の男を意識してしまい、身体が強張っていく。
「それはいけませんね」
 窓の近くに備えられたサイドテーブルにグラスを置く音が聞こえた。このシャンパンは佐伯の口に入りそうにない。
 うまく言葉がみつからないまま緊張のせいで表情筋まで固くなりそうである。
 俯いたままの御堂を上を向かすように顎に手をかけられた。抵抗するより早く、佐伯に唇を奪われた。そっと触るだけの口づけに御堂は瞠目する。
 目を見開いたまま佐伯と視線が空中で絡み合い、下半身が疼いた。
 キス如きで、取り乱す身体に気が滅入りそうになり、グラスを持つ手に力が入る。赤かった頬が、佐伯の視線を受けてまた朱の色を濃くした。
「浮かない顔だな、御堂」
 御堂から視線を逸らさずに、そっと佐伯は呟いた。耳を疑いそうになる言葉に、御堂は瞬きを数回して声を失った。
 久々のデートに心が晴れないわけがない。それなのにこの男はなにを言いだすのか。
 年末に近づけば、また慌ただしくなるほど忙しくなる。それにともないデートも互いのプライベートな時間もなくなってしまうことも御堂とて忘れていない。
 今日くらいは、羽目を外して佐伯と濃密な時間を過ごしたいと思っている。
 それなのに、上手く態度にでない。食い入るように見つめてくる佐伯から逃げるように顎を支える手を払い、佐伯に背を向けた。
「君とこうして過ごす時間は、どうしてこんなにも早いのだろうかと思っただけだ」
 シャンパンを一口飲んだだけなのに、体温が上昇し続けているせいでアルコールのまわりが速い。ふわりとした心地よい酔いが御堂を襲う。
「もっと……佐伯とこのような時間を過ごしたいだけだ」
 アルコールの力を借りて、誕生日を祝ってくれたことを遠回りに嬉しいと告げる。こんなこと素面では言えるわけがない。
 突然後ろから身体を抱きすくめられ、御堂は驚愕して首だけを後ろへ向けた。けれども御堂の口元は緩み、緊張で強張っていた顔ではなくなった。
「それだけで満足か? 俺を困らすくらいのお強請りでも十分だというのに、あんたって人は……」
 呆れにも似た声が溜息混じりに紡がれた。
 瞬時に佐伯の言葉が理解できず、御堂はグラスを持っていない方の手で佐伯の頬に手を添えてキスをした。うっすらとワインの香りが佐伯から漂い、御堂は瞼を閉じてキスをしたまま余韻に浸る。
 唇をわずかに離して、息を吸いまた口づけようとすれば佐伯が口を開いた。
「誕生日だから優しくしようと思っていたが、手加減ができそうにない」
 野獣のような目の色に変えた佐伯が雄の匂いをさせ、御堂は胸が高鳴るのを感じた。
「君が手加減をしたことなど、いまだ嘗てないじゃなか」
 くすぐったそうに御堂は笑いながら「だが、そういうところも嫌いじゃない」と付け足しす。ようやく本性を出した恋人の姿に御堂の機嫌が最高潮になる。
「あんたは変わったな」
「私だって年をとるということだ。それより私を待たせる気か?」
 佐伯の頬を撫でてやりながら、目を細めて挑発した。
 すると面食らった佐伯と目が合う。そのまま頬の筋肉を緩ませた蠱惑的な笑みを佐伯に向けた。
「年を重ねる毎に俺をおかしくさせていることも計算のうちなら、とんだ食わせ者ですよ」
 目を見開いて佐伯は、白旗あげるように困った顔で笑う。たったそれだけでもこの男に焦らされ、自分の唇を佐伯に見せつけるように舐めていた。
「自惚れるな。私の気が変わる前にその口を塞いだほうがよさそうだ」
 どちらからでもなく唇を合わせキスを貪った。


Fin
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Honey×Honey

2013/09/12

 息を切らせて走っているとやがて足が遅くなり、歩き出す。御堂が振り返って近づいてきている太一をていた。
 なんとか辿り着くが、汗ばんだ顔と乱れた呼吸でまともに話せる状況ではない。荒い息を繰り返すのが精一杯だ。
 汗をエプロンの裾で拭っていると自動販売機が飲み物を落とす音が聞こえた。音がしたほうに視線をやれば、御堂がペットボトルの水を太一に差し出そうとしていた。
 興味がないように見せかけて、まれに感じる優しさに心が錯覚してしまう。
 想いが通じている、と。
 無言のままペットボトルを受け取ると蓋を開けて勢いよく口に流し込んだ。口から流れ出ていることも気にせず飲む。そして口から離すと頭へ残りの水をかけた。
 冷たい水が頭から流れおちて頬を伝う。
 幾分か落ち着いてから御堂に問いた。
「あれってマジ?」
 さっきのメールに書いてあったことが信じられず、持っていたペットボトルを握り締める。
 大人のエゴに付き合っていられない。
 濡れた前髪を後ろへ掻き上げて、御堂を見据えた。
 本当のことだと言わんばかりに口ごもる御堂に希望の光が見失う。いつだって御堂は、本当のことしか太一には教えなかった。
「落ち着いて私の話を聞くんだ」
 いきなり手首を掴まれ、そのままついて来いと腕を引かれる。太一は、舌打ちをしてしぶしぶついて行く。
 そして建物で日陰になっているところまで来ると御堂は手を離した。
「本当だ。来週から二週間ほどだが、出張で私はいない」
 背を向いたまま話す御堂に、目を見開いてその姿を見つめていた。
 もう何もかも信じられない。怒りと暑さで感情的になり、判断力が鈍くなる。
「はぁ? それって……また会えないってこと?」
 声が震える。潰しそうなくらいにペットボトルを握り締めて、怒りを露わにする。
「そうだ。私が戻るまでいい子で待っているんだ」
 あやすような声で話しながら、御堂は振り返る。
 そんな子供騙しで納得がいかず、唇が戦慄いだ。
「いい子……? そんな可愛い言葉で括っちゃうアンタってホント、オレを踊らすの上手いよね。もっと軽快に踊ればいい? なんならタップダンスでも踊ってあげようか」
 パンッと乾いた音が鳴った。いきなり視界から御堂が居なくなり、頬が痛く御堂が叩いたことを痛さで知る。
 唾を吐き捨てて、叩かれたことに逆上した。握っていたペットボトルを離して御堂の服を掴んだ。
「いい加減にしたまえ」
「だったら、次いつ会えるかくらい教えてよ」
 食ってかかるように御堂に迫る。
 だが、それを嘲笑うように御堂から重い息を吐かれ、歯を強く噛み合わせて音を立たせた。
「君が冷静になるまで会わないでおくとしよう」
 怯むことなく太一に説得を御堂は試みているようだ。年上の落ち着いた態度が、太一を気に入らなくさせていることを知らない。
 どう刃向かおうが御堂にとって、子猫や子犬がじゃれて遊ぶのと変わらず、動作でもなかった。
 頭にくる言葉ばかりを並べられ、逆上した頭では考えることも不可能だ。
 もう会えないということが、どれだけ辛いのかこの男に分からせたい。
「嫌だ。絶対離さないから」
 聞こえるか聞こえないかの低音で太一は呟く。
「私と会わないほうがいい。その手を離したまえ」
「オレはいつだって冷静だよ。だから会ってよ、ねぇ!」
「言って解らないようなら、お仕置きが必要だな」
 双眸を細めて、はっきりとした声で御堂は告げた。
 聞いたことがない御堂の声に怯み、掴んでいた服から手が離れていた。そして体が動かなくなる。
 太一の隙をつくように御堂が腰を屈め、目線を合わせて顔を近づけてくる。ふわりと鼻を掠めるアイスコーヒーの香りとともに、うっすらと甘い匂いが御堂からした。
 飲み物以外に何か頼んだのかと太一は思った。しかし、さっきアイスコーヒーに蜂蜜を入れたことを思い出す。飲んでくれると思っていなかった。それだけに、また嬉しくなる。
 頭に血が登っていたはずが、薄れた蜂蜜の匂いが太一を冷静にさせていく。
 キスできる距離まで近寄られ、目を逸らすことができない。
「っ……何スか、この距離」
「我慢しているのは君だけじゃない。君の気持ちは、これでも考慮している。今はこれで我慢したまえ」
 頬に触れる唇の感触にキスをされたと気づく。キスでさえも許さない御堂がしてきたキスに、驚きが隠せない。
 正常に頭が動かない。嬉しいのに声が出てこないのだ。
 はにかむような表情を御堂はわずかに残して、太一から離れていった。
「今度は、連絡してから君に会いに行く」
 それが、おあずけの意味だと知るのは御堂が駐車場から車で出て行った数分後のことになる。
 蝉の鳴く声が耳障りで、御堂の声を忘れそうになる。そして、その場で太一は耳を塞いだ。


「早く会いたいよ、孝典さん」



Fin
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Honey×Honey

2013/09/12

 平日のロイドの店内と打って変わり、客の顔が休日となれば、異なる。静かな朝を満喫したい人が足を運ばせ、午前中は平日よりも忙しい。
 注文をとっては、注文された品を運んだり、会計やテーブルのセッティングなど店の中を駆けずり回る。
 しかし、ほどなくすれば満員御礼から客足が遠退き、いつもの見慣れた風景に戻る。
 そして一段落がつくと、洗った食器を棚へ戻すのが太一の日課となっていた。
 カウンターの中は、この喫茶店のマスターでもある太一の父親がエプロンを脱いでいるところだ。父親が店の奥へ休憩に行くのを横目で見ながら、太一は流し台で手を洗う。
 八月にはいり夏本番を迎えた。自然と冷房の設定温度が下がり気味になる。父親の目を盗んで寒くない程度の温度にまで温度を下げて涼むのが、太一の至福の時だ。
 まだ客は二、三人いるが、注文した品は運んである。また注文をとられない限り、太一もカウンターの席に座って休むことができた。
 手を洗い終わりタオルで手を拭いていると客を知らせるドアベルが鳴り、「いらっしゃいませ」と太一は明るく呼びかけた。
 だが、一瞬目を疑った。
 入ってきた客の姿に目が奪われ、中へ案内するのを忘れて呆ける。男としてはファッションにも気を遣い、高そうな時計が腕に填められていた。
 こんな町外れの喫茶店よりも、もっと洒落たカフェや落ち着きがあるカフェテラスが合いそうな、見るからに高級感に溢れた男が無言で入ってくる。
 気温が上昇している時間帯に、汗をひとつもかいていない。それどころか涼しい顔で歩いている。
 夏らしく淡いオレンジ色の半袖のシャツに、身長に見合ったパンツ。裾を折り曲げて素足のサンダルを出している。見た目だけをみれば、まだ二十代後半にもみえた。
 案内もしない太一をよそに、カウンターの席にその男は座った。
「アレ……? 今日仕事じゃないの?」
 ようやく止まっていた思考が動き出した。しかし接客とは程遠い内容に、カウンターに座った男は、小さく溜息をついた。
 カウンターの中から水とおしぼりをトレイに乗せてカウンターへと太一はまわる。
「カレンダーを見たまえ。今日は土曜だ」
 カウンターに備えつけてあったメニュー表を見たまま興味がなさそうに話す。
 そんな態度にさえ太一はめげず、持ってきたおしぼりと水をテーブルに置く。
 この男、あのMGNで飲料水の企画開発部の部長をしている。最近は仕事が忙しく声はおろか、太一に顔さえも合わしていなかった。
 好きだと告白したが、返事はまだ貰っていない。なくても太一と会う機会を設けるなど、太一に好意を持っている素振りをみせていた。
 久しぶりに合う恋人の姿。スーツ姿しか見たとがない太一には、私服が眩しく映る。
 それだけに太一の声がいつもより弾む。
「だっていつも土日は、仕事でデートも出来ないって言ってたじゃないッスか。オレ、御堂さんとデートしたいのに予定がいっつも合わないし」
 メニュー表から一向に顔を上げない御堂に焦れったくなる。持っていたトレイをテーブルに置いて、その上に手をついて体を支えた。
 こうしてダラダラと接客していても、今はあの父親がいないから怒られる心配もない。だから、ちょっとだけ怠けていても責められはしない。
「ねぇ、今からデートに行かない?」
「君のバイトが終わってからだ」
「えー、今すぐ行きたいのに。ケチ」
「アイスコーヒーをもらおうか」
 メニュー表を元の場所へ戻し、ちらりと隣にいる太一を見やる。
 たったそれだけの仕草に、太一は生唾を飲んだ。そして一歩遅れて「アイスコーヒーね、了解」と言い残しカウンターの中へと消えた。
 逸る気持ちを抑えアイスコーヒーを作る。珈琲を氷らせただけの氷を冷凍室より取り出して、適量をコップの中へ入れる。挽いたばかりの豆で作ったアイスコーヒーを冷蔵庫から出すと、氷が入ったコップへと注ぐ。
 本来ならこれで出来上がりだが、太一はまわりを見渡してあるものを探すとそれをアイスコーヒーの中へ入れて、細いスティック状の棒でかき混ぜた。
 トレイにアイスコーヒーとストローを乗せて御堂のところへ持って行く。
「お待たせしました。太一くん特製の愛情たっぷりのアイスコーヒーになります。冷たいうちに飲むことをオススメしまーす」
 テーブルにストローとアイスコーヒーを置いて、片目を瞑ってウィンクを御堂に飛ばす。
「君は、他の客にもそんな態度なのか」
 しれっとした態度で御堂に受け流され、一線置かれていると気づく。
 そして急に寂しさがやってきた。なんとか表情に出さないよう作った笑みを浮かばせて笑ってみせる。
「そんなわけないって。御堂さんが来てくれたってだけで、超嬉しいんスから」
 アイスコーヒーに目もくれず、鋭い眼差しで御堂に覗き込まれる。居た溜まれなくなり、視線を逸らそうと目を泳がす。
 いきなりバイト先へ現れたかと思ったら、こんな客と店員とのつまらない会話をするだけで、他の客と同様に御堂も涼みにきただけだ。
 せっかく来てくれたとテンションが上がったのに一気に急降下していく。
 場が持たなくなるのを察したのか、ドアベルが鳴り響く。そして数人の客が店内へと流れるように入ってきた。今きた客を見て明るく呼び込み、太一は持ち場へと戻った。



 客足が落ち着くのを待ってから、太一はようやく休憩をとることができた。遅い昼食を奥の部屋で食べようとしたが、喉に入っていかない。
 食べる気になれず、ペットボトルのスポーツ飲料水を口に流し込んだ。店内へ戻るのが億劫になり、壁にもたれ掛かって時間を過ぎるのを待つ。
 まだ店内には、御堂が座っていた。
 昼をまわっても帰る気配がなく、ずっと居座っていた。何をしているかまでは、見ていない。
 こんな長い時間どう過ごしているか、今の太一には興味がなかった。早く帰ってほしくて顔を合わさずにいた。
 そんな太一の期待を裏切るように携帯電話がメールの着信を知らせる。
 面倒くさそうに画面を操作してメール画面を開く。そして本文を見るやいなや、太一は走り出していた。
 エプロンをつけたまま店内へ出ていき、焦って店の外へいく。走りながら近くのコインパーキングへ急ぐ。歩いて数分のところにある場所が遠く感じる。
 太陽の照り返しがひどく、汗が滝のように流れ落ちていく。
 息を切らせて走っていると御堂の後ろ姿をみつけ、叫んだ。
「待って……、待ってよ……っ。御堂さん!」
 アスファルトの照り返しが強く、体力をすぐに消耗させられ数メートルの距離で息切れがする。


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Marvelous Cream

2013/09/12

「っ……ん、ぅ、ッ……んン」
 唯一、自由が利く手で口を覆った。二つの舌が同じ場所を舐めただけで、吐息混じりの声が出そうになる。
 椅子に身体を縄で縛りつけられ、足が左右に大きく開いていた。天井から伸びた縄で固定されて、足を閉じることも出来ない。その哀れもない姿にペニスが硬さを増した。
 目の前には、三脚がある。三脚に取り付けられたビデオカメラが、赤いランプを点けて今の様子をずっと撮り続けている。あらぬ場所を二人の男が美味そうに舐めている姿もすべて撮していた。
「ふぅ……っ」
 カリに舌が這うだけで我慢が出来なくなる。口を抑える手が隙間をつくり、その間から息とともに声が漏れた。舌の動きに意識が集中し、身体がまた熱くなった。玉袋もしゃぶられ目を細めた。
「舐めてやれ、御堂」
 玉袋に、むしゃぶりついていた御堂が、指示に従うように玉袋から舌を後孔へと移動させると、皺をひとつずつ丁寧に舐めていく。舌が後孔に触るだけで開発されていないはずの後孔がひくついて、中へ舌を誘導しようとする。
 ちゅっと後孔に吸いついては、舌でまわりを舐めた。
 御堂の息が尻に触るたびに興奮を覚えた。
 カリを舐めていた舌が離れ、溢れる蜜の量が増える。
「皮肉なもんだ。俺が<俺>をこんな形でしか触れないとはな」
 眼鏡をしたもう一人の自分が、眼鏡のレンズに映り、塞いでいた手を口から離す。
「どんな力を使ったか知らんが、御堂は関係ない……ッ」
 息が続くかぎり吐き捨てる。後孔に吸いつく唇の感触に身体が反応し、熱い吐息が漏れた。
 同じ空間にいる<俺>に違和感を覚えながら疑問をぶつける。
「<オレ>はどうしたんだ」
 眼鏡をしたイレギュラーとも言えた<俺>の存在が気に入らない。ザクロを食べた覚えがなければ、あの黒服の金髪男に会ったわけでもない。それなのに何故か同じ空間にいる。
「<オレ>は<俺>でもあることを忘れたのか。いい機会だ、身体で覚えさせるか」
 それが合図とともに舌が中へ挿ってきた。ヌルリとした熱い舌が入口を舐める。唾液を含ませながら中で舌が動く。収縮をしていた後孔が御堂の舌を締めつけ、動きを妨げる。
 舌だけで身体が異常にも反応を示し、克哉をおかしくさせた。
「っ……んッ……」
 身体から力が抜け、足を固定していた縄が食い込み、痛さで歯が食い縛る。痛さと気持ちよさの波に襲われ、我慢が出来なくなった。
「御堂に舐められる気分はどうだ? いつもお前がココを執着して、離さないじゃないか」
 蜜で濡れた竿を握られるとそのまま上下に手が動いた。もどかしかった刺激が一気に快楽を持たせ、ビクリと身体が大きく跳ねた。そして、もう片方の手で亀頭を上から覆い被さるように握り、ペニス全体を刺激した。
 擦られるだけで頭の中が真っ白になり、荒い息が口から出た。意識がペニスと後孔に集中して絶頂が近くなる。
 後孔を舐めていた舌が中でぐるりと舐めまわし、声が上擦った。
「んン……ぁ、っ、ん……」
 我慢出来ない刺激に、手のひらに吐精した。内股が痙攣し、長い吐精が続く。指の隙間から精液がこぼれ御堂の髪に落ちる。
 後孔に口をつけたまま、ひくつく蕾を御堂はまだ可愛がっている。克哉が達しても入口の周辺ばかりを綺麗に舐めていた。
 舌の動きに萎えかけていたペニスが反応し、また硬さを保ち始めた。勃起し始めたペニスから手が離れると精液で濡れたペニスが露わになる。赤黒い肉棒に白く濁った液がよく栄えた。
 いきなり亀頭を握っていた手で口を塞がれ、放った精液の臭いで咽せ返る。その姿を見下ろしていた<俺>に悪意が混じった顔で笑われた。
「俺をもっと楽しませろ」



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